町工場さまが「産学官」と連携するメリットとデメリットを解りやすく解説します!

当ブログを訪問してくださり、いつもありがとうございます。

わたくし、イーダと申します。

私のお客さまの中で多くを占める町工場さまは、製品の部品を作る下請企業として取り組んでいますが、数年前から

「自社製品を開発して、これを直接エンドユーザーに売るんだ!」

と、動き始めている町工場さまもいらっしゃいます。

そこで、です!

企業には、新しい製品を開発したり、国や地域を巻き込んだ販売戦略を立てるために、

大学などの教育機関、そして国や地方公共団体とコラボすることがあります。

これを「産学官(さんがくかん)」とか、「産学官連携(さんがくかんれんけい)」と言います。

私のお客さまの中にも、この取り組みをされている町工場さまがいくつかあり、私もそのプロジェクトの一員として参加しています。

今回は私の経験を踏まえて、町工場さまが「産学官」と連携するメリットとデメリットを皆さまにお話しさせて頂きます。

既に「産学官」をご存知で、現在も活動されている町工場さまも多いかと思いますが、

この記事をお読みになって「産学官」との連携が有効に働いているかを再確認して頂ければと思います。

また、これまで「産学官」を知らなっか町工場さまは、今後の自社事業に活かせるか多いに参考にしてください。

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1. 町工場さまと「産学官」の関係

はじめに、「産学官」についてもう少し詳しくお話しさせて頂きます。

「産学官」の3つの文字は、

「産」:産業界の民間企業
「学」:学術機関としての大学などの教育機関
「官」:官公庁である、国や地方公共団体の役所

の意味を持っています。

すなわち、「産学官」とは技術の研究開発や新たな事業の創出、新製品の試作などを目的として、

民間企業と教育・研究機関、そして地方公共団体の役所が連携することを言います

町工場さまが「産学官」を活用する場合は、特に大学や専門学校の教育機関と強力に連携することが多いと思われます。

町工場さまが新製品を作ろうとした時に、製品やパッケージのデザインなどはデザイン系専門学校の学生さんと、

また販売戦略の立案などは大学の経済・経営学部の学生さんとよくコラボします。

また、地域の中小企業と協力して「産学官」を交えた活動をすることもあります。

この場合、大学としては教授や講師の方がメインになります。

市区町村の役所の仕事は、地域産業の宣伝といったところです。

2. 町工場さまが連携するメリット

では、町工場さまがこの「産学官」と連携するうえでのメリットは何でしょうか?

けっこうオイシイと思いますよ。以下にお話しさせて頂きます。

ここでは、町工場さま単体で連携する場合と、地域の中小企業と協力して連携する場合の2つに分けて説明します。

【町工場さま単体で「産学官」と連携】 メリット
1 教育機関などから専門分野の考えやアイデアを取り入れることができるため、新製品の研究や開発に必要な創造力に幅が広がる。
2 大学や専門学校は教育の一環として企業とコラボするので、基本的に大学や専門学校の教育機関に料金を支払うことはない。
3 一般的に町工場さまが不得意とされる、製品化した次の段階であるマーケティングについては多大な協力を得られる。

以前、私のお客さまが、ある大学の経済学部とコラボしてジュエリーの新製品を試作したことがありました。

そのデザインからネーミングまで、やはり若い人のアイデアは、私たちにとっては斬新なものがあります。

また、学生さんたちは彼らなりに市場調査なども実施してくれて、こちらも良い勉強になりました。

やはり、ビジネスというものは自分ひとりの頭より、複数の頭で考えた方がはるかに大きな成果を出すことを改めて実感しました。

【地域の中小企業と協力して「産学官」と連携】 メリット
1 地域産業の活性化が図られる。
2 地域産業を宣伝・アピールできる。
3 町工場どうしや他分野の企業とコミュニケーションを図ることができ、人脈を形成できる。

地域の中小企業と協力した「産学官」との連携で、一番のメリットは何といっても上記の3でしょう。

自分の会社単体としての利益は見込めませんが、中小企業の中でも大きな会社とつながりが持てれば、それも一つの財産です。

地域で「産学官」の連携を実施しつつ、それと並行して知り合った会社さんと交流を深めながら、新しい事業などを模索していくことができます。

出典元  https://www.google.com/

3. 町工場さまが連携するデメリット

逆に、町工場さまが「産学官」と連携するうえでのデメリットもあります。

私の経験から、以下のとおりデメリットを挙げてみました。

【町工場さま単体で「産学官」と連携】 デメリット
1 新製品の研究・開発に掛かる費用、特に材料費は町工場さまが負担するケースが多い。
2 特許や意匠登録に関わる権利の問題については、事前に双方で誓約書を交わすなどの手続きが必要になる。こじれると面倒。
3 新製品の研究・開発・試作といった、「ダイレクトに利益を生まない時間」が長くなる傾向にある。

町工場さまは、金銭的に全然余裕!と、いうわけではないので、

一般的に一つの製品を開発・試作して、市場に送り出すまでの時間は、短ければ短いほど良いわけです。

「直接的に利益の生まない時間」

極力なくしたいですよね

それに対し、特に教育機関である大学などの先生は、研究・開発に多くの時間を掛けてより良い物を作ろうとします。

どちらが良い悪いとは言えませんが、町工場さまのその辺の事情を察して頂けると、町工場さまは大変助かります。

続いて、地域の中小企業との「産学官」連携におけるデメリットですが、…。以下のとおりです。

【地域の中小企業と協力して「産学官」と連携】 デメリット
1 強力なリーダーシップを発揮する会社や人物がいないと、ただの集まり、お遊びになってしまう。
2 地域のアピールなり、新製品の開発や販売なり、その目的を達成するのに時間が掛かる。

上記は、私の経験上痛切に実感した事柄です。

地域として「産学官」の連携を実践していますと、その時間が長くなればなるほど、上記の傾向が現れるように見受けられます。

そうです!

長く活動していると

段々本来の目的を

見失ってしまうのです!

ですから、スタートの時点からしっかりしたスケジュールを作成し、作業する項目と責任者を明確にすることが重要だと思います。

そして、「産」「学」「官」のうち、「産」である企業側が全体をリードするのが好ましいとも思います。

4. 最後に 〜まとめ〜

如何でしたでしょうか?

今回の記事を読んでくれた皆さまが、「産学官」というものを少しでも理解して頂けたのなら、とてもうれしいです。

また、町工場の皆さまが今後「産学官」の連携を実践する時は、メリットとデメリットを念頭に行動してください。

総じて、創造とかアイデア、そしてアクションの方向性というものは、

ひとりの頭で考えるよりも複数の頭で考えた方が、はるかに広がりと深みを見せるものだと思います。

今回も最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。

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