経営革新計画はものづくり補助金の審査加点として本当に必要か?

わたくし、イーダと申します。

当ブログを訪問して頂き、誠にありがとうございます。

大変感謝しています。

2020年の今年もお客様の依頼でものづくり補助金の応募申請をお手伝いさせて頂きました。

今回のものづくり補助金は、応募申請する際、経営革新計画の承認を得ていれば、

審査で加点されて採択に有利になるというルールです。

そこで、お客様の依頼もあり、ものづくり補助金の申請書作成と併せて、

急きょ経営革新計画の承認を得るための申請書も書かせて頂きました。

この体験をもとに、ものづくり補助金を応募申請するにあたって、

その加点対象となる経営革新計画の承認は本当に必要か否かについてお話しさせて頂きます。

スポンサーリンク

1. 経営革新計画とは

最初に、経営革新計画とは何でしょうか?

経営革新計画とは、中小企業や小規模事業者が策定する経営計画を言います。

中小企業の会社が経営革新計画を策定し、会社が所在する都道府県に承認してもらえれば、

その会社は、都道府県から様々な支援を受けることができます。

例えば、

●日本政策金融公庫から非常に金利の低い融資を受けられる

●海外に進出している事業者にとって有利な支援を受けられる

●特許に関係する色々な料金の負担を軽くしてもらえる

などがあります。

さらに、これに加えてそれぞれの都道府県で独自の支援があります。

「それじゃ、経営革新計画を作ろう!」と考えたとき、その内容はどのようなものになるのでしょうか?

それは、お役所的に言えば、「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的としたもの、であることです。

例えば、

「当社はまったく新しい事業を立ち上げて、新商品を開発します。

これにより、この計画が終了する3年後まで、毎年、プラスアルファー的な価値の金額が9%、経常利益が3%で伸びていきます。

とか、

「今ある製品をまったく新しい生産方式で作ります。

その結果、この計画が終了する5年後まで、毎年、プラスアルファー的な価値の金額が15%、経常利益が5%で伸びていきます。

とかです。

2. 経営革新計画とものづくり補助金の関係

ところで、ものづくり補助金には、

「もし、こういうものをやっていれば、ものづくり補助金の申請書を審査するときに加点しますよ」

というものがあります。この加点の対象となるものはいくつかあります。

それが、今年2020年のものづくり補助金では、いくつかあるうちの一つに、「経営革新計画の承認を得ていること」があるのです。

以下は、ある工作機械メーカーさんから聞いた話です。

今年2020年のものづくり補助金は、経営革新計画の承認が加点対象となっている。

なので、多くの中小企業さんが応募を断念していると。

「たぶん、ものづくり補助金の審査で加点が取れなければ採択されないだろう。

しかし、今年の加点対象は経営革新計画の承認だ。

経営革新計画の承認申請は難しいし、

そもそも経営革新計画の主旨に合致しない会社もある。」

と、こんな内容です。

3. 経営革新計画を加点の対象としているのか?

ここで、今年2020年のものづくり補助金の応募状況についてお話しさせて頂きます。

現在、1次締切と2次締切の応募者数・採択者数が公表されています。

これらの結果を見てみましょう。

ものづくり補助金には、応募申請する内容に応じて

一般型、グローバル展開型、ビジネスモデル構築型がありますが、

ここでは一般型の結果を取り上げてみました。

1次締切

応募者数:2,300

採択者数:1,400

採択率:61%

2次締切

応募者数  5,700

採択者数  3,300

採択率  58%

1次締切と2次締切共に、採択率は60%前後です。意外に高いですね。

問題は、採択された中小企業の中で、どれだけの会社が経営革新計画の承認を加点の対象としたかです。

上述のとおり、経営革新計画はまったく新しい事業を立ち上げて、新商品を開発したり、

今ある製品をまったく新しい生産方式で作るようにしたりする、まさに会社の『経営革新』です。

特に小規模事業者さまや町工場さまが経営革新計画を策定する場合、極端な話、

「これまでの事業を捨てて、新しい市場へ参入するのか」

レベルの内容になります。

さらには、そもそも経営革新計画の主旨に合致しない会社もあります。

承認を得るための申請書を書きたくても書けない。書いたとしたら、それはウソになるということです。

加えて、経営革新計画の承認を得るための作業は非常に時間が掛かります。

今回、お客さまの依頼で、ものづくり補助金の申請書作成と併せて、経営革新計画の承認を得るための仕事をさせて頂きましたが、

申請書を書き始めてから承認の認定書をもらうまで1ヵ月以上掛かりました。

このような経営革新計画の承認を、ものづくり補助金の採択者数、

1次締切:1,400

2次締切:3,300

の多くが既に持っていたのでしょうか?

また、ものづくり補助金を応募申請するために、急きょ、経営革新計画の承認を得る作業をしたのでしょうか?

先ほど述べたとおり、経営革新計画の承認を得るのはけっこう難しく、時間も掛かります。

また、経営革新計画の主旨に合致しない会社もあります。

承認を得るための申請書を書きたくても書けない。書いたとしたら、それはウソになるということです。

以上から、採択率60%前後で採択された多くの中小企業の会社が、既に経営革新計画の承認を得ていた、

またはものづくり補助金の応募申請のために、急きょ承認を獲得した、とは考えにくいのです。

今年2020年のものづくり補助金の応募申請で、

経営革新計画の承認を審査の加点対象にした中小企業の会社は果たしてどれだけあったのでしょうか?

1次締切

応募者数:2,300

採択者数:1,400

採択率:61%

2次締切

応募者数:5,700

採択者数:3,300

採択率:58%

です。

具体的な数字で説明できなくて誠に申し訳ありませんが、

採択された中小企業の中で、

経営革新計画の承認を審査の

加点対象した会社は絶対に

半数もないはずです。

4. 経営革新計画は必要なのか?

以前、工作機械メーカーの担当者がこんなことを言っていました。

担当者:

イーダさん、ウチの顧客がものづくり補助金を得るために、これから経営革新計画をとるって大騒ぎしているんです。

イーダ:

今から経営革新計画の申請書を書くんだったら、出来上がっているものづくり補助金の申請書をもっと良いものに手直しする時間に当てるべきですね。

以上を踏まえて、ものづくり補助金の応募申請の加点対象として、経営革新計画の承認は必要か否かですが、

既に経営革新計画の承認を得ている中小企業の会社さまは当然加点の対象とします。

しかし、

ものづくり補助金の応募申請で、

経営革新計画の承認が加点の

対象だからといって、

慌てて、そして無理やり

経営革新計画の承認を得るのは

得策ではありません。

この作業に要する労力と時間は、

ものづくり補助金の応募で提出

する申請書のブラッシュアップ

当てるべきです。

私は今回、お客さまの依頼で、ものづくり補助金の申請書作成と併せて、

経営革新計画の承認を得るための仕事をさせて頂きましたが、

1次締切と2次締切の応募者数・採択者数の数字を見て上記の考えに至りました。

5. まとめ 〜最後に〜

如何でしたでしょうか。

今回は、ものづくり補助金の審査加点としての経営革新計画を取り上げてみました。

経営革新計画の承認をものづくり補助金の審査加点の対象とする時、

「さぁ、今から経営革新計画の承認をもらうぞ!申請書を書くぞ!」

はやめるべきです。

ものづくり補助金の審査では、なによりも申請書の内容が評価されます。

経営革新計画の承認はあくまでも「加点」であって、ものづくり補助金の応募申請の内容が悪ければ採択されないでしょう。

逆に、加点がなくても、申請内容が素晴らしければ採択されるはずです。

これは、1次締切と2次締切の応募者数・採択者数の結果を見れば分かります。

今年2020年のものづくり補助金の応募申請で、

経営革新計画の承認を意識される会社さまは、ひとつの参考にして頂ければうれしいです。

次回の記事では、コロナ禍によって中小企業さまを含む多くの企業が活用を考えている、

「雇用調整助成金」についてお話しさせて頂きます。

ぜひ、楽しみしていてください。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。

スポンサーリンク